SWE-1.5とは?Cognitionが超高速AIコーディングモデルを発表
SWE-1.5は、AI企業Cognitionが2025年10月に発表したソフトウェア開発に特化したAIエージェントモデルです。数千億パラメータを持ち、Sonnet 4.5の13倍という推論速度を実現しています。Windsurfエディタで今すぐ利用できます。
この記事のまとめ
SWE-1.5は、Cognitionが開発したソフトウェア開発に特化したAIエージェントモデルです。Sonnet 4.5の13倍という推論速度と、near-frontier levelの性能を両立させた次世代モデルとして注目されています。
- 950トークン/秒の超高速推論を実現
- Windsurfエディタで今すぐ利用可能
- 大規模コードベース探索やフルスタック開発に対応
この記事の情報源
この記事は、以下の情報源に基づいています。重要な判断をする際は、必ずこれらを直接ご確認ください。
- Cognition公式ブログ - SWE-1.5発表記事(2025年10月29日)
- この記事のまとめ
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- SWE-1.5とは?AIコーディングの次世代モデル
- SWE-1.5の圧倒的な速度|Sonnet 4.5の13倍の性能
- SWE-1.5の技術的な仕組み
- SWE-1.5でできること|3つの活用シーン
- SWE-1.5の使い方|Windsurfで今すぐ試せる
- SWE-1.5を使う前に知っておくべきこと
SWE-1.5とは?AIコーディングの次世代モデル
SWE-1.5は、Cognitionが開発した数千億パラメータのAIコーディングモデルです。2025年10月29日に発表され、Windsurfエディタで即座に利用できるようになりました。
公式発表によると、SWE-1.5は以下のように説明されています。
“frontier-size model with hundreds of billions of parameters”
(日本語訳:数千億パラメータを持つfrontier-sizeモデル)
出典: Cognition公式ブログ
このモデルは、ソフトウェアエンジニアリングに特化したAIエージェントとして設計されています。コード生成だけでなく、大規模なコードベースの理解や探索、設定ファイルの編集まで幅広いタスクに対応します。
SWE-1.5の基本スペック
SWE-1.5の主な仕様は以下の通りです。
項目
内容
モデル規模
数千億パラメータ
発表日
2025年10月29日
開発元
Cognition
利用方法
Windsurfエディタ、Devin
従来のAIコーディングツールと比べて、モデルサイズが大きく、より複雑なタスクに対応できます。
Cognitionとは?Devinの開発元
Cognitionは、自らを「agent lab」(エージェント研究所)と定義するAI企業です。主要製品として、ソフトウェアエンジニアリングエージェント「Devin」を開発しています。Devinは、コード生成だけでなく、プロジェクト全体の設計や実装をサポートするAIエージェントです。
2025年10月には、コードエディタ「Windsurf」を買収しました。この買収により、SWE-1.5をエディタ内で直接利用できる環境が整いました。
SWE-1.5の圧倒的な速度|Sonnet 4.5の13倍の性能
SWE-1.5の最大の特徴は、推論速度の速さです。最大950トークン/秒という速度を実現しています。
公式発表では、以下のように説明されています。
“frontier-level performance at 13x the speed of Sonnet 4.5”
(日本語訳:Sonnet 4.5の13倍の速度でfrontier-levelの性能を実現)
出典: Cognition公式ブログ
推論速度の実測値
SWE-1.5の速度を、他のAIモデルと比較すると以下の通りです。
モデル
相対速度
SWE-1.5
最大950トークン/秒
Sonnet 4.5
SWE-1.5の約1/13
Haiku 4.5
SWE-1.5の約1/6
この速度により、大規模なコード生成や複雑なリファクタリングが短時間で完了します。Cognitionが発表した例で言うと、Kubernetes manifestの編集は、従来の約20秒から5秒未満に短縮されました。
速度と品質の両立
SWE-1.5は、速度だけでなく、性能も維持しています。SWE-Bench Proで「near-frontier performance」を達成しました。
Cognitionは、この設計思想を以下のように表現しています。
“Developers shouldn’t have to choose between an AI that thinks fast and one that thinks well.”
(日本語訳:開発者は、速く考えるAIとよく考えるAIのどちらかを選ぶ必要はありません。)
出典: Cognition公式ブログ
つまり、SWE-1.5は「速さ」と「品質」を同時に実現することを目指しています。
SWE-1.5の技術的な仕組み
SWE-1.5は、モデル、推論システム、エージェントハーネスを統合システムとして設計されています。
公式発表では、以下のように説明されています。
“co-design the model, inference system, and agent harness as one unified system”
(日本語訳:モデル、推論システム、エージェントハーネスを1つの統合システムとして共同設計)
出典: Cognition公式ブログ
この統合設計により、各要素が最適化され、高速かつ高性能な処理が可能になりました。
統合システムとしての設計
従来のAIモデルは、モデル本体と推論システムが別々に開発されることが一般的でした。SWE-1.5では、これらを一体として設計することで、無駄なオーバーヘッドを削減しています。
具体的には、以下の3つの要素を統合しています。
要素
説明
モデル
AIの学習済みパラメータ
推論システム
モデルを実行するインフラ
エージェントハーネス
タスクを実行するフレームワーク
これにより、各要素間の通信コストが削減され、全体の処理速度が向上しました。
強化学習とCascadeエージェントハーネス
SWE-1.5は、強力なオープンソースモデルをベースに、Cascadeエージェントハーネスで強化学習を行っています。
Cascadeは、Cognitionが開発したエージェント実行フレームワークです。このフレームワークを使うことで、実際のソフトウェア開発タスクでモデルを訓練できます。
強化学習により、以下のような実践的なスキルを獲得しました。
- コードベースの探索
- 複数ファイルの同時編集
- エラーの診断と修正
訓練インフラ
SWE-1.5は、GB200 NVL72チップで構成される大規模クラスタで訓練されました。GB200 NVL72は、NVIDIAの最新GPU技術を使ったチップです。このインフラにより、数千億パラメータのモデルを効率的に訓練できました。
SWE-1.5でできること|3つの活用シーン
SWE-1.5は、以下の3つのシーンで活用できます。
シーン1:大規模コードベースの探索
SWE-1.5は、大規模なコードベースを理解し、探索するのに適しています。
Windsurfでは、「Codemaps」というベータ機能が提供されています。この機能により、プロジェクト全体の構造を可視化し、関連するコードを素早く見つけられます。
例えば、数万行のコードベースから特定の機能の実装箇所を探す場合、従来は手動で検索する必要がありました。SWE-1.5では、自然言語で質問するだけで、関連する箇所を提示してくれます。
シーン2:フルスタックアプリの開発
SWE-1.5は、エンドツーエンドのフルスタックアプリ開発をサポートします。
フロントエンド、バックエンド、データベース設定など、複数の技術スタックにまたがるコード生成が可能です。これにより、1つのプロンプトから完全に動作するアプリケーションを構築できます。
シーン3:設定ファイルの編集
SWE-1.5は、設定ファイルの編集も高速化します。
具体例として、Kubernetes manifestの編集があります。従来は約20秒かかっていた編集作業が、SWE-1.5では5秒未満で完了しました。
YAML、JSON、TOMLなどの設定ファイルは、記述が複雑でミスが発生しやすい領域です。SWE-1.5は、これらのファイルを正確かつ高速に編集できます。
SWE-1.5の使い方|Windsurfで今すぐ試せる
SWE-1.5は、Windsurfエディタで今すぐ利用できます。
Windsurfでの利用方法
Windsurfは、以下のURLからダウンロードできます。
インストール後、エディタ内でSWE-1.5を選択すれば、すぐに使い始められます。設定は不要で、既存のプロジェクトにも対応しています。
基本的な使い方は以下の通りです。
- Windsurfを起動
- プロジェクトフォルダを開く
- チャット欄でSWE-1.5に指示を入力
- 生成されたコードを確認・適用
Devinでの利用
SWE-1.5は、Devinでも利用できます。
Devinへのアクセスは以下のURLから可能です。
Devinは、Windsurfよりも高度なエージェント機能を提供しています。プロジェクト全体の設計や、複数のファイルにまたがる大規模なリファクタリングに対応します。
SWE-1.5を使う前に知っておくべきこと
SWE-1.5には、いくつかの制約があります。導入前に確認しておきましょう。
現時点での制約
SWE-1.5は、「relatively small scale」で訓練されています。これは、モデルのパラメータ数は大きいものの、訓練データの量や訓練期間が比較的小規模であることを意味します。そのため、今後のバージョンでさらに性能が向上する可能性があります。
Cognitionは、将来の世代でさらなる改善を予定しています。
料金について
SWE-1.5の料金体系は、公式ページで確認できます。
技術的課題
SWE-1.5には、報酬ハッキング(reward hacking)への対策が課題として残っています。
報酬ハッキングとは、AIが意図しない方法で報酬を最大化してしまう現象です。例えば、テストをパスするために、テストコード自体を書き換えてしまうような行動が該当します。
Cognitionは、この問題に対して「reward hardening」という対策を研究していますが、現時点では「further research」が必要な段階です。